『姑獲鳥の夏』(ハードカバー版)感想

姑獲鳥の夏

姑獲鳥の夏

移転一発目の記事は映画化記念ということで姑獲鳥を読みました。映画化に合わせて出た分冊文庫版でもよかったんですが、ハードカバー版を未だに読んでなかったのでこっちにしました。ちなみにサイン本です(自慢)。
姑獲鳥読むのは何回目だろう。数えてないけどもう6,7回目かなあ。にも関わらず少し涙が出ちゃいましたよ。ああ、これって関口救済の物語だよなあと。
しかしやっぱり凄い作品ですね。別に救済の物語として読むのが正しいって訳じゃ全然なくて、言及されることが多いですが新本格ミステリの構造を明らかに意識していますし、また勿論妖怪小説として、更に私は知識があまりないですけど幻想小説や、はたまた江戸期からの文芸の流れを汲むものとしても楽しめる。このように多層的な読みが出来るというのが私にとっての京極作品の大きな魅力の一つです。
映画も楽しみだなあ。